緑茶や紅茶もコーヒー同様、飲むと間もなく血圧を上昇させます。その程度はカフェインだけの場合より大きいという報告があります。
茶と高血圧との関係はどうでしょうか。茶を多く飲む人は高血圧になりにくいという報告もありますが、いくつかの研究をまとめて分析すると、茶の摂取による血圧の変化は認められませんでした。
茶の常飲者は糖尿病になりにくいことや、動脈硬化が軽いことが報告されています。カテキンなど茶に含まれるポリフェノールが、動脈硬化を抑えるように働くためと考えられます。
いくつかの研究は、茶に虚血性心疾患※1 の予防効果があることを示唆しています。脳卒中※2 についても、多くの研究を解析した結果、茶をよく飲む人は、飲まない人に比べ脳卒中が約2割少ないと報告されています。
また、循環器病死亡率や全死亡率についても、茶を飲む人は飲まない人に比べて低いことが示唆されています。
まとめますと、茶を飲むことは、循環器病にはよい影響があるといえます。この効果は緑茶、紅茶、ウーロン茶のいずれにも期待できるようです。
※1:虚血性心疾患とは、冠動脈が動脈硬化などの原因で狭くなったり、閉塞したりして心筋に血液が行かなくなること(心筋虚血)で起こる疾患です。
※2:脳卒中は脳出血・脳梗塞(こうそく)による。脳の急激な血液循環障害による症状。急に意識を失って倒れ、運動障害を起こす。
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